今すぐ準備を!早期退職・希望退職で大切な、たった一つの心がまえ。
応募したほうがいいのかな?
そんな疑問に答えます。
本記事の内容
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この記事を読めば、今すぐに早期退職制度が導入されるかされないかに関わらず、やっておくべきことがわかります。
あなたの会社ですでに早期退職制度があっても、またこれから導入されるかもしれなくても、どう対応すればよいかのヒントになる情報が満載です。
さらに早期退職制度がくる、こない、に関係なく、これからどうしていくかという、一歩をふみだす準備にも役立つ内容をお伝えします。
この記事を書いている私も、早期退職制度を利用して、前に勤めていた会社をやめました。
自分の場合は早期退職がある、なしに関わらず、「やめる」という意思決定をして動き出していたんですね。
早期退職がきたのは偶然だったのですが、準備をしていなければそのチャンスをつかむことはできなかったと思います。
というのも、同じ時期に「自分も考えてた」といってた人はたくさんいましたが、実際に決断できた人はいませんでした。
早期退職する、しないに関わらず、私の経験もふまえて、
「やっておいてよかった」
ということをお伝えします。
私が早期退職に応募した話しは下記の記事でも触れているので、よろしければ読んでみてください。
早期退職・希望退職制度とは
早期退職、希望退職ってこんなもの
あなたの会社にはどんな退職制度がありますか?
もちろん定年退職制度はありますよね。
そして多いのは、その後も再雇用という形で会社に残って働き続けられる、というのが一般的になってきているように感じます。
ここでお聞きしたいのはそれ以外の退職制度について、です。
うろ覚えですが、例えば私が以前勤めていた会社では、常設の早期退職制度がありました。
常設というのはどういうことかというと、勤続年数や年齢など、本人がある一定の条件を満たせば使える制度で、1年中いつでも応募できるというものです。
細かい点まで覚えていませんが、この制度を利用すると、会社都合扱いで満額の退職金に少し上乗せされた金額がもらえるというメリットがありました。
この制度は明確に、「社員の次のキャリアを応援する」という、そんな意義がうたわれていましたね。
あなたの会社はどうでしょうか。
これに類する制度って用意されてますかね?
本日この記事で取り上げるのは、上で書いてきたようないつでも使える制度ではなく、臨時で取り入れられる制度です。
この記事を書いているのは2020年10月ですが、最近こんなニュースがありました。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは5日、異動対象となった勤続1年以上の正社員を対象に早期退職を選択肢として提示し、応じる人数が900人程度になる見通しとなったと発表した。コスト削減による経営改善を図る。令和2年7~9月期連結決算に関連費用として計約76億円を計上する。
退職日は今年末まで。通常の退職金に加え、特別退職加算金が支給される。再就職の支援サービスも受けられる。
2年12月期の連結業績予想も発表した。新型コロナウイルスの影響による販売数の減少などで、売上高に当たる売上収益が8197億円、最終損益は70億円の赤字を見込んだ。
(強調部分は引用者による)
出典:https://www.sankeibiz.jp/business/news/201005/bsd2010052002007-n1.htm
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は10月7日、退職金を割り増す希望退職の実施を労働組合に提案した。希望退職は常時実施しているが、退職金の割り増しは2013年度以来となる。
(強調部分は引用者による)
出典https://news.yahoo.co.jp/articles/425b4164a8974cf8fd2f6a1bc0b6b1caae058d0c
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(以下コカ・コーラ)と全日本空輸(以下ANA)のニュースで、どちらも退職金の上乗せがあることがわかります。
コカ・コーラのほうは、はっきりと今年末までと期限が明記されていますし、ANAのほうは期限は定かではありませんが、退職金の割り増しは2013年以来、と書かれているので、臨時的な措置だと読み取れますね。
詳細や条件は会社によって差がありますし、また呼び名についてもコカ・コーラは早期退職、ANAは希望退職と違いがあります。
早期退職と希望退職は違うのか?
という点に関しては、私もいろいろと調べてみました。
「厳密には違う」と書いているサイトもあったりしましたが、正直なところよく理解できませんでした。
「希望退職は〜〜で、早期退職は〜〜〜である」という書き方をしていますが、よくよく読んでみると内容に大差はなく、厳密な定義に基づいているわけではなさそうでした。
そして法的にも決まりがあるわけではありません。
キャリアコンサルタントである私が断言します。
なのでここから先を読んでいただくのに、呼び方の違いを気にする必要はありません。
大切なのはあくまでも中身です。
これ以降は読みやすさを優先して「早期退職」という表記に統一します。
ちょっと話しがそれましたので戻しましょう。
早期退職制度はこんなものである、というのをいったん下記のようにまとめました。
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一番下の「会社都合」というのは聞き慣れない言葉かもしれませんね。
上記のニュース記事からはわかりませんが、私の経験も含め一般的には早期退職は「会社都合退職」となることが多いようです。
意外とあなどれない要素でして、「会社都合」と「自己都合」というのは後ほどまた触れますので、言葉だけなんとなく覚えておいてください。
早期退職とはつまり、バスから降りること
ですよね。
すみません。
意味わかりませんね。
ちょっとだけ回り道しますが、大事な話しなので少しだけ聞いてください。
面倒であれば読み飛ばしていただいても大丈夫です。
『ビジョナリー・カンパニー』という本を読んだこと、もしくは聞いたことありますでしょうか。
結構古い本ですが、長期にわたって成功している「強い企業」を研究した本で、ロングセラーです。
下の画像の帯には「不朽の名著」とも書かれていますね。
ここでは『ビジョナリー・カンパニー』について詳しくは触れませんが、興味がありましたらぜひ読んでみてください。
オススメです。
ちょっと話しがそれましたが、この『ビジョナリー・カンパニー』の中に、下記のような記述があります。
記憶をたよりに書いているので正確ではないかもしれませんが、こんな内容でした。
強い企業というのは、ある目的地を目指したバスのようなもの。
従業員は同じ目的地を目指した乗客である。
企業にとって大事なのは、乗客みんなが同じ目的地を目指していバスに乗っていること。
そうでない乗客にはバスを降りてもらうことが大切。
ちょっとドライな書き方かもしれませんが、こんな内容です。
私がこの一節を読んだとき、
「自分はバスを降りるべき人間なんじゃないか」
という印象を強く受けたんです。
そしてこの印象はその後もずーっと私の中に残り続けました。
『ビジョナリー・カンパニー』自体は、強い企業の法則を明らかにしている素晴らしい本で、会社として同じ方向を向いていることが大事、という、どちらかというと経営者に対して発信しているメッセージですね。
私は、その当時に自分がおかれていた状況と照らしあわせて、なんとなく、自分はもうバスを降りる時期にきているんだなぁ、と考えたことを今でもはっきりと覚えています。
つまり、早期退職制度というのは、会社というひとつの目的地を目指して走っているバスから、自分の意思で降りることです。
会社自体は原則として長く続いていく存在なので、目的地にたどり着く前に、一人ひとりの従業員は定年を迎えて離れていきます。
ただ、定年退職の場合は、自分の意思で最後までバスに乗り続ける、ということですね。
早期退職はじめ、その他の退職も、すべては自らの意思でバスを降りることにほかなりません。
会社にとっての早期退職の意味すること
会社が早期退職を導入して、退職者、つまりバスから降りる人を募集するのはなんのためなんでしょうか。
2020年の今、コロナ禍というこれまで誰も経験したことのないような劇的な環境変化が訪れていますね。
多くの企業は大きな経済的ダメージを受けていますし、立ち行かなくなって倒産というケースも増えています。
そんな状況を受けて、早期退職を取り入れる企業が増えているようです。
新型コロナウイルスの影響により景気悪化が進み、早期退職を募る企業が増加しています。
2020年上半期だけでも40社程度が希望退職を募集しており、リーマンショック以来の高水準となっています。
出典:https://www.job-terminal.com/features/%E6%97%A9%E6%9C%9F%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E9%80%80%E8%81%B7/
東京商工リサーチによれば、2020年1~6月期に早期・希望退職を募集した上場企業数が41社であり、前年同期の18社に対し2.2倍となったと発表されています。小売りや旅行業、そしてアパレル・繊維製品といった業種への導入が多くみられているようです。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/b68cfec5dc520af2ca51bd7fbcc20290fa60b1b3
早期退職を取り入れる企業のすべてがそうとはいい切れませんし、表向きそうはいっていなくても、多かれ少なかれコスト削減という意図も込められていると考えるのが自然でしょうね。
先ほどご紹介したニュースを再び引用しますが、はっきりと「コスト削減」「人件費の抑制」といった言葉が使われています。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは5日、異動対象となった勤続1年以上の正社員を対象に早期退職を選択肢として提示し、応じる人数が900人程度になる見通しとなったと発表した。コスト削減による経営改善を図る。令和2年7~9月期連結決算に関連費用として計約76億円を計上する。
退職日は今年末まで。通常の退職金に加え、特別退職加算金が支給される。再就職の支援サービスも受けられる。
2年12月期の連結業績予想も発表した。新型コロナウイルスの影響による販売数の減少などで、売上高に当たる売上収益が8197億円、最終損益は70億円の赤字を見込んだ。
(強調部分は引用者による)
出典:https://www.sankeibiz.jp/business/news/201005/bsd2010052002007-n1.htm
希望退職はパイロットを除く全職種が対象。これまでの実績では、1回の実施で40人程度が希望退職していた。新型コロナの影響で国際線は9割弱、国内線は半数近くが減便や運休となっており、人件費の抑制を進める。
(強調部分は引用者による)
出典https://news.yahoo.co.jp/articles/425b4164a8974cf8fd2f6a1bc0b6b1caae058d0c
それはあまりにいいすぎだと思いますし、また早期退職にしてもただ単にコスト削減のためか、というと決してそれだけとは、私は思いません。
早期退職者や希望退職者をつのるということは、やめて欲しくない人がやめてしまう、そんなリスクも伴うからです。
やめさせたい人間をあからさまにピックアップしてとか、閑職に追い込んで音を上げるのを待つ、という非人道的なやり方もあるかもしれませんが、このご時世、どこかの「やめさせ部屋」のようにすぐに大騒ぎになってしまいかねません。
そうなると会社としての信用が地に落ちることになり、その影響はちょっとやそっとのコスト削減では補えない深刻な事態になってしまいます。
つまり、早期退職は経営者としても苦渋の決断なんだ、と理解すべきじゃないかなと。
従業員にとっての早期退職の意味すること
会社にとっての早期退職は、単なるコスト削減には効果が見込める反面、やめて欲しくない人材流出をまねく危険性があることがわかりましたね。
そうですよね。
従業員、つまりあなた、そして当時の私、にとってはどんな意味があるのでしょうか。
先ほど一度お見せしましたが、一般的な早期退職の特徴は下記のとおりでした。
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そうすると、退職金の上乗せ、というのが大きなメリットなのは明らかだと思います。
一時的に希望をつのるというのも、迷っている社員にとっては背中を押してもらう効果になるかもしれませんね。
会社のほうから道を開いてくれた、みたいな。
上にあげた中で意外と大事になってくるのが4点目の、「会社都合の退職」というやつです。
一般的に従業員が自分の都合で退職する場合を、自己都合退職と呼ばれます。
自己都合退職の場合は、退職金が一定割合で減らされることが通常のようですね。
また、自己都合退職の場合、雇用保険法に定められている給付制限期間というのがあるため、失業手当も約3ヵ月間は支給されません。
退職金を削られた上に3ヵ月何も入ってこないって、結構しんどいですよね。
一方で会社都合の退職の場合は、退職金はもちろん全額払ってもらえますし、失業手当もちゃんと手続きをすれば、一週間前後で最初の給付が始まります。
ちょっとお金の面にかたよった話しになってしまいましたが、これが現実です。
あらためて早期退職する従業員の側から、その意味を考えるとどうでしょう。
いろいろあると思いますが、
後くされなく、円満に会社と別れて自由になれる
ということではないでしょうか。
例えていうなら協議離婚、みたいな。(笑)
早期退職に応募するのは得なのか
そうですね。
その点についてもう少し詳しく考えていきましょうか。
早期退職に応募して得られるもの
先ほどの繰り返しになりますが、まず大きいのはこの3点でしょう。
- 割増しされた退職金
- 会社都合退職という名目
- 会社との円満な関係解消
他にはどうでしょうね。
なにか思い当たることありませんか?
いろいろあると思いますが、こんなところでしょうか。
- しがらみなく自由になれる
- 気兼ねなく新しいことにチャレンジできる
- 堂々と副業できる(本業がないので「副」でもないけど)
- 仕事しないでゆっくりできる
- 通勤しなくていい
なんかこうやってみるといいことづくめですねぇ。
今まで不自由だったんだなぁ。
よく我慢してきたなぁ、と。
じゃあやっぱりやめちゃいますか、チャンスがきたら?
で、本当にいいんでしょうか?
早期退職に応募して失くすもの
ここで落ちついて、デメリットはないのか、落とし穴はないのか、検証してみましょう。
パッと思いつくのはこのあたりではないでしょうか。
- 毎月決まった給料が入ってこない
当たりまえのことなんですが、次の仕事が決まらない限り、給料というものは一切入ってきません。
失業保険があるからいいや、と思うかもしれませんが、会社都合であっても、支給額は前の給料の50〜80%、そして支給期間も1年よりも短いです。
(※勤続年数、年齢によって大きく変動します)
- 結構やることなくてヒマ→退屈な毎日
最初のうちは自由を満喫できて楽しいと思います。
そして長いことお勤めしてきたのであれば、送別会とかのつき合いも多くて大変、そんなふうに感じることでしょう。
最初はね。
去る者は日々に疎し、とはよくいったもので、あなたはもう前の会社の人とは違う世界の住人です。
少しずつですが確実に、距離は離れていきます。
そうするとやってくるのは、
なにもすることがない日々
ですね。
それはそれで新鮮な感じで気持ち良いでしょう。
毎朝目が覚めて、
「今日はこれしてあれして、ああしてこうして…」
とか頭を悩ませなくていいわけですからね。
人間というのは勝手な生き物で、そういう恵まれた環境であっても、必ず飽きてくるんですね。
そうすると訪れるのが…
あー、もう毎日毎日ヒマすぎる。なんか飽きてきた
こういう状態になると不思議なもので、今まで気にならなかったはずの、逆にどちらかというと「毎朝仕事に出かけないといけないサラリーマンとは違う自分」を誇らしく思ってた気持ちは薄れて、こんな状態に突入します。
- まわりの目が痛い
寝起きの姿のままゴミ捨てにいくだけならいいんですけど、出かけるときには日も高くなった時間に、それも私服で、ですよね。
近所の奥さん連中とか引退したお年寄りとかから浴びせられる冷たい目。
そして何人かでいたときには目を合わされず、なにかヒソヒソされてるような感覚。
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
今どきこんな井戸端会議みたいな光景はないかもしれませんし、もしあったとしても上で書いたようなヒソヒソ感はほぼ勘違い、のはず。
それはあなた自身の、
毎日こんなことでいいんだろうか
という心の葛藤の現れかもしれませんね。
どのくらいの期間をぶらぶらと過ごすことになるのかわかりませんが、会社勤めしているときとこれまた大きく違うのがこれでしょう。
- 仲間がいない
よっぽど地元に溶け込んでるか、子供のときからずっと同じところに住んでいて知り合いばっかり、という環境でない限りは、いかがでしょうか。
近所に気軽に遊びにいったり食事にいったりするような仲間います?
今まで会社にいくと普通に仲間がいて、食事にいったり、お茶しにいったり飲みにいったり、というのが当たり前でしたよね。
もちろん最近はコロナ禍で直接会う、というのは難しかったり頻度も落ちてきているかもしれませんね。
それでも気軽にオンライン飲み会とかでつなぐ仲間や、仕事の延長で雑談する仲間がいたんじゃないでしょうか。
自分から能動的に動かない限り、そういう仲間は向こうからは現れてきません。
以上、デメリットというほどでもないかもしれませんが、会社員時代にはあって、早期退職後になくなるものをまとめてみました。
- 毎月決まった給料が入ってこない
- 結構ヒマ
- まわりの目が痛い
- 仲間がいない
結局早期退職は得なのか
確かに難しい質問ですよね。
これまで挙げてきた、得られるものと失うものを比べながら、自分としてどうしたいのかを考えて決めるしかないんですけどねぇ。
逆に私から質問しますが、
ここが明らかにならないと決められないんじゃないでしょうか?
あなたにとっての損得を明らかにする前に、一つはっきりいえるのは、明らかに失敗しそうだな、というパターンはあると思います。
早期退職で失敗するのはこんな人
私が思う、早期退職に応募して失敗しそうなパターンを5つ挙げてみます。
これから5つのパターンを紹介していきますので、あなた自身と照らしあわせて考えてみてください。
パターン①:話しがきてから考え始める
もしあなたがこの記事をここまで読んできていただいているとすれば、それは早期退職に対してなにか予感があるからですよね、きっと。
なので「考え始める」というのは正確ではないかもしれませんが、せっかく話しがきそうだな、と思っていながらボーッとすごしてしまって、いざ本当に話がきたときに初めてマジメに考える、という状態のことを意味してます。
なにもしていないので、結局話しがきてから考え始めるのと同じことですね。
会社やそのときの状況によって違いはあるでしょうが、私のときは応募期間が約1ヵ月か2ヵ月くらいでした。
はっきり覚えていませんが。
ただ自分はすでに用意ができていたので、その当時思ったことは、
「ずいぶん短いなぁ〜。踏み切れる人、どのくらいいるんだろ?」
でした。
最終的に私の退職が決定した後に、ほうぼう挨拶して回ったり、送別会してもらったり、いろんな場面で幾度となく聞いたのが、
「自分も考えてたんだけど、決めきれなかったんだよね〜」
というセリフでした。
なにも準備していない状態、ましてや転職すら考えたことがない状態で、突然退職の話しを持ってこられても、家族を説得したり転職活動して次の職を見つけたり…。
ゼロから動き始めるにはあまりにやることが多すぎて時間切れ、となるのは目に見えているといってもいいでしょう。
パターン②:計算しないで勘で決める
まったく計算ゼロ、ということはないでしょうが、なんとなくの計算だけしかしない、というのはあるでしょう。
要は退職したら割増金含めていくらもらえるのか、しか気にしていないというパターンですね。
自分の年齢、家族構成とそれぞれの年齢に応じてかかる教育費、食費・住居費・光熱費…等々。
住宅ローンの残債はあと何年でいくらあって、自分の両親、配偶者の両親の年齢、健康状態、財産…。
さらにおそらく多くのサラリーマンの場合、意識したこともないでしょうし、現に自分もそうでしたが、税金、年金、健康保険、社会保険…形を変えたものすごい量と金額の税金が降りかかってきます。
「これだけ入ってくるから、住宅ローン全部チャラにしてあとは悠々自適!」
とか思ってると、その先に待っているのは地獄です…
パターン③:見込みの収入だけで決める
パターン②の裏返しというか、近しいパターンですが、決め方と方向がちょっと違うのでわけました。
これも私の周りにいた先輩の話しなんですが、当時会社で発表された早期退職制度について、こんなやり取りがありました。
私はそのときはまだ資格がなかったので、好奇心で聞いてみたんです。
私: 先輩、早期退職に応募しないんですか?
先輩: 生涯年収計算したらトータルでもらえる金額が大きいからさ、残ったほうが得だよね。だから応募しない。
なるほどねぇ〜。そういう考えもありますよね。
そしてこういうケース、つまり生涯年収ベースで計算したら早期退職よりトータルで貰える金額は多そう、というのはありそうですね。
あなただったら、どうします?
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私がそのとき話しを聞いて感じたのはこう。
「先輩の仕事って正直あまり楽しそうじゃないし、本人も楽しそうにやりがい持ってその仕事してるようには見えないんだよなぁ。いくら生涯年収が高くても自分はその立場でその仕事続けるのは無理だなぁ。なのにそれだけで決めちゃうもんなのかなぁ…」
それともう一つ考えてほしいのはこの点です。
確かに「今」時点の給与制度では生涯年収トータルでは上回るかもしれませんが、その給与制度と給与水準はずっと保証されるんでしょうか?
必ずしも保証されない見かけの安定収入と、刺激も成長も感じられないつまらない仕事、トータルでの年収がいいかもしれない、だけで見送るのはこの先の自分がかわいそうじゃありませんか?
パターン④:見て見ぬ振りをする
見なかったことにして、そっとPCを閉じる…。
完全思考停止ですね(笑)
さすがにそこまでは少ないかもしれませんが、こんなことはありそうじゃないですか?
「早期退職ねぇ。でも今のプロジェクト忙しいし、自分が抜けたら迷惑かけるし、みんな困るからなぁ…。やっぱり抜けるわけにはいかないよね。応募するわけにはいかないよなぁ。」
どうでしょう?
ありそうじゃないですか?
もしそう感じたり、そんな判断しそう、というのであればちょっと考えてみていただきたいのです。
- あなたが抜けたら、本当にそのプロジェクト、崩壊しますか?
- あなたが抜けたときに他の人にかける迷惑ってどの程度か、考えたことありますか?
- そのプロジェクトから抜けられないくらい重要なのは、あなた「だけ」ですか?
- もし他のプロジェクトメンバーが抜ける、となったらどうします?
なにがいいたいかというとですね、「自分が抜けたら…」というケースの多くの場合、誤解を恐れずはっきりと伝えておきたい。
それは、
壮大なる勘違い
であると。
本当に特殊性があって、ワン・アンド・オンリーの技術を担われている、というケースもあるでしょう。稀には。
それにしても、プロジェクトが停滞する場面はあったとしても、そのもの全部が崩壊するとか会社がどうにかなるとか、そんなことってそうはないはずです。
あったらそれはあなたの会社の仕事の進め方とか仕組みに問題があるんじゃないですかね?
話しを戻しますと、本当にその言い訳で耳をふさいじゃっていいんですか?
あなたの人生ですよ。
格好いいこといって責任感が強そうに見えるかもしれませんが、それって思考停止してませんか?
というのはよくよく自分と向き合っていただきたいものです。
パターン⑤:社内の人だけに相談する
ここは微妙ですけどね。
早期退職というナーバスな話題なので、逆に社内の人には相談しづらいケースもあるかもしれません。
ですがお世話になった先輩や元上司とか、気心知れた同僚や同期とかに、相談というレベルではなく、雑談のネタで話して感触をつかむ、みたいなことはするんじゃないでしょうか。
【パターン①】
あなた: あの話し、どう思います〜?
先輩: あー、あれなー。俺は乗らないなぁ。今の仕事外れるわけいかないし、子供もまだ小さいからなぁ。
あなた: ですよねぇ。(やっぱりやめられないよなぁ…)
【パターン②】
あなた: 今度のあの早期退職ってどう思います?
元上司: なんだ、お前、まさかやめようってんじゃないだろうな?
あなた: ま、まさか!そんなわけないじゃないですか!?なにいってんですか、もう!イヤだなぁ…。( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
元上司: だよなー。お前がやめるわけないもんな。しっかり頼むぞ!
あなた: は、はい!(だよね、やめちゃまずいよね…)
まぁあくまで想像ですけど、社内の人って相談しづらいですよね。
そして上で出した例は、間違えないでいただきたいんですけど、「相談した」ことにすらなりませんからね。
これだけで判断しちゃうのはあまりに軽率じゃないですか?
以上5パターン紹介してきましたけど、十分そのまずさは感じていただけたんじゃないかと。
じゃあ結局どうしたら、を考えてこの記事のまとめとしましょう。
まとめ:早期退職にこだわらず準備をしよう
という疑問についてまとめましょう。
ここまで紹介してきたポイントは以下のとおりです。
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ここまでお読みいただいていればもうおわかりと思いますが、一番まずいのはなにも準備しないことです。
いつくるかわからないから、きてから考えればいいよね。
この考えが負けパターン一直線です。
隣の家が燃え始めてから火災保険に入ろうとする、みたいな。
大切なのは、早期退職制度がくる、こないに関わらず準備をしておくこと。
そうですね。
準備といってもそんなに大げさなものでも、難しいものでもありません。
ひとことでいうと、
転職活動
です。
そうですよね。わかります。
ですから私がお伝えしている転職活動というのは、
×: 転職を目的とした活動
ではなくて、
◎: 転職することになっても困らない活動
です。
そういわれてもピンとこないかもしれませんね。
「転職」というのはあくまでも結果の状態であって、私が強くおすすめしたいのはそこに至る過程の「活動」です。
例えば一例としてこんなことが挙げられます。
- 自分の職歴の棚卸し
- 自分自身の棚卸し
- 自分自身の強み・弱み等の特徴把握
- 転職市場における自分の市場価値の把握
- 求人市場の理解と求人情報の探索
これらはごく一部です。
あなたはこれまで上に挙げたようなようなこと、したことありますか?
私がお伝えしたい「転職活動」は上記のようなことを整理する、ということを指しています。
転職活動とは自分自身と向き合い、自分の生き方を見つめ直すことである
と私はとらえています。
ひとことでいうと「自己理解」です。
キャリアコンサルタントっぽいでしょ(笑)
※自己理解については下記の記事も参考にしてみてください。
自己理解を深めるのはなんのため?逃げずに自分と向き合う方法。
自己理解を深めるための転職活動を、ゼロの状態から自力で全部やろうとすると非常に大変です。
そこで第三者の、エキスパートの力を借りてやってみましょう、というのがお伝えしたいことであり、今すぐ始められる準備です。
その第三者というのが、転職エージェントであり、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタント*といった専門家です。
(*「キャリアコンサルタント」は国家資格を持っている人間だけが名乗れる肩書なのでご注意ください)
転職エージェントについてはいくつか下記でご紹介だけしておきます。
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最後になりますが、転職エージェントを活用した転職活動の進め方については、下記の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。