「はたらく」意味とは。浜野製作所から学ぶ3つの大切な働く本質
こんにちは。よたろーです。
浜野製作所、ってご存知ですか?
私は知りませんでした。
こんなすごい会社だなんて。
もっと早く知りたかった…
世界的に有名な町工場 浜野製作所
(出典:浜野製作所ホームページより)
普段テレビはほとんど見ないんですけど、先日たまたま「アンビリーバボー」(正確な番組名は「奇跡体験!アンビリバボー」なんですね)という番組で取りあげられていて、釘づけになりました。
翌日には浜野製作所のホームページ、パンクしてました。
すごい反響(笑)
番組では、「世界から注目される町工場 絆が生んだ奇跡の逆転」(2020年8月14日現在リンク先が削除されたようです。残念)と題して、この浜野製作所の紆余曲折をドラマ仕立てでたどっていました。
いまでこそ「世界から注目される」という位置を築いているわけですが、そこに至るまでの道のりは決して平坦、どころか相当に険しい道だったようです。
番組のコンセプトからすると「奇跡」というところに焦点を当てていて、たしかに次から次へと、ホント、
ドラマか!
「想い出にかわるまで」か!!
(おー、なんと、やっている!TBSチャンネルで!!)
というくらい、いろんなことが起こります。
両親の死、火事、倒産、取引停止…
演出もあるんでしょうけど、もう、これでもか、という感じ。
捨てる神あれば拾う神あり
と
一難去ってまた一難
とが繰り返しやってくる、そんなスリリングなどんでん返しの連続。
そんなハードな状況を乗り越えながら、どうやってここまで成長してこれたのか。
要所要所にきっかけとなる出来事が紹介されていました。
どこまで当事者の発言や事実が拾えているのかはわかりません。
ただ確実にいえるのは、「仕事」とは何か、会社は何のために存在するのか、「はたらく」のは何のためなのか、などなど、キャリアや仕事を考える上での本質が詰まっているなぁ、と感じたことです。
私は仕事がら、常に「はたらくとは」「キャリアとは」「組織とは」「仕事とは」ということに直面し向き合っています。
その関係で個人的な視点と興味というアンテナにビンビン引っかかったのでご紹介させていただきます。
仕事とかはたらくことに疑問やいきづまりを感じているかもしれない、そんなあなたのお役にたてればと。
浜野製作所が教えてくれたこと、3つです。
その1.夢と情熱を語れ
浜野製作所現社長、浜野慶一さんは創業社長ではなく、2代目。お父さんが福井から上京して創業、お母さんが経理、という典型的な家族経営の町工場。
慶一さんは毎日仕事のことで言い争う両親の姿を見てうんざり。下請け、孫請の小さくて汚い町工場にはまったく興味もなかったそうです。
それが一変したのが大学を卒業間近に控えた就職活動中のことでした。
一緒に飲みにいった席で聞かされたお父さんのひとこと、
「俺な…浜野製作所に誇りを持っているんだ」
これが浜野さんのその後の運命を変えるきっかけになりました。
これしかできないから仕方なくやってるだけなんだ、という自分の勝手な思い込みに気づかされ、工場を継ぐ決意を固めます。
ものづくりにかけるお父さんの情熱に心動かされたんでしょうね。
結局浜野さんは修行のために他の工場に就職し、将来浜野製作所を継ぐために、ものづくりのあらゆることを学んでいきます。
そこで出会った後輩の金岡さんとは馬が合い、よく飲みに行く関係だったようです。
飲みの席で、浜野さんはいつも「夢」を語っていたようです。
自分は浜野製作所をこんなふうにしたい
というような。
その夢を分かち合い、共有していたのが後輩である金岡さん(現専務取締役)で、今の浜野製作所を一緒に築き上げる原動力として欠かせない存在でした。
その後浜野さんはお父さんの死をきっかけに浜野製作所を継ぐことになりましたが、程なくお母さんも他界し、
従業員ゼロ
というピンチに見舞われます。
そのときに声をかけ、二つ返事で浜野さんを助けにきてくれたのが、夢を語り合った金岡さんだったんですね。
これで安泰、再出発、というとまったくそんなことはなく、とんでもない苦境に見舞われます。
浜野製作所存亡の危機。
たったひとりとはいえ、従業員に給料を払う余裕すらありません。
金岡さんにその旨を正直に話し、解雇せざるを得なくなったところで出た言葉がこれでした。
ま、再現ドラマの中なので実際の言葉ではないかもしれません.
でも、こんなこといわせられる社長ってすごいですよね。
金岡さんはインタビューでこのように語ってます。
「浜野慶一っていう人と一緒にやっていきたい、それが面白くて一緒にいるわけですから、別に 会社ありきではない。」
(「奇跡体験!アンビリバボー」公式ホームページ「世界から注目される町工場 絆が生んだ奇跡の逆転」より引用)
その他にも印象的な場面はたくさんありましたが、お父さんといい、浜野さんといい、夢と情熱を持ち続け、語り続けることがなによりも大切ですね。
だからこそ金岡さんや、その他たくさんの人たちが惹きつけられ、良い仕事、良いサービス、そして会社の成長につながっていくんだなぁと感じますよね。
「夢と情熱」がすべての出発点
だと思いますし、このあとに続く2つも、「夢と情熱」というベースがあってのことですが、はたらく上での心構え、という観点で私なりに整理しピックアップしてお伝えさせていただきます。
その2.やれることに全力を尽くせ
誰もいなくなった浜野製作所に、強力な助っ人として金岡さんがやってきた矢先、とんでもない悲劇が浜野製作所を襲います。
それは、
火事
隣の家から出火、浜野さんの自宅兼工場も全焼、という目に。
再現ドラマで紹介されていたのは、そのさなかの浜野さんの驚きの行動でした。
その驚きの行動とは、
工場の物件探し
それと、
プレス機械の調達
です。
この状況の中でも、3日後に納期を控えた仕事を完遂する、という責任感。
そしてそのためにできることに全力で奔走する。
番組によると火事があったその日のうちに、なんと仮工場と代わりのプレス機械を調達し、無事に納品を済ませることができたそうです。
普通だったら、
「火事だし、この状況だし、仕方がないよね。」
と考えそうですし、せめてできたとしても、状況を取引先に説明して納期を調整してもらう、とか、他に受けてくれそうな会社を探して回る、とかじゃないですか?
この状況でなんとしても自分のところでなんとかしよう、という、熱意、情熱、責任感、期待に応えたい気持ち、ひとことではいい表せない、あらゆるものがない混ぜになった、「想い」。
その人一倍強い想いが、
とにかく今やれる最善のことはなんだろう
と考え(いや、考える前にかもしれませんね)、浜野さんを突き動かしたんでしょうね。
目の前の状況をとらえ、先々やいろんな方面への影響を考えて、やれることに全力を尽くす。
なかなか真似できることじゃありません。
そしてこちらも簡単には真似できないことですが、
その3.期待を超えろ
いろんな悲劇に見舞われ、なかなか思うように商売も広がっていかない。
浜野製作所のような下町の工場のように規模の大きくない製作工場は数多くあり、競争は厳しく、また長年のつきあいもあって入りこむ余地もない、そんな状況でした。
ましてや浜野製作所は社長と従業員1名の2名体制、プレス機械も「蹴飛ばし」と呼ばれる人力で操る貧弱な機械だけで、「競争力」という点においてはいかにも見劣りがします。
営業をかけても見向きもされず、冷たいあしらいをされても通い続ける、そんな日々が続いていました。
ここで諦めない、というのも普通にすごいところです。
転機につながったのは、あるときもらった緊急かつ1回だけの、他の部品工場がやりたがらない案件を受けたこと。
単に受けるだけでなく、2週間の納期を、
半分の1週間で納入
そして続いて受けた仕事も、
10日の納期を半分の5日で
という、期待を超え続けるサービスで信頼を勝ち得ました。
多品種少量生産という、みんながやりたがらない仕事を、
発注者の期待を大きく上回る半分の納期で仕上げる、
これこそが秘訣でありました。
番組の中では、
「なぜそんなことができたのか?」
という問いに対して、
「今はこんなこといえないけど、『寝ないでやる』てことです」
ですって。
秘訣でもなんでもない(笑)
ただ、それを可能にしたのも、すべて1つ目の浜野さんの「ものづくりにかける情熱」があればこそ、だと想いませんか?
一番大切なこと。
それは、
情熱は、不可能を可能にする。
そんな気持ちを忘れずに仕事に向き合えたら最高ですね。
ちょっと仕事に疲れたな、と思ったら以下の記事も参考にしてみてくだい。